【記事】『世界忍者戦ジライヤ』と紡いだ「戸隠流三十五代目宗家」と「筒井導場」の軌跡
1988年、東映メタルヒーローシリーズの異色作として放映された『世界忍者戦ジライヤ』。その主演を務めた俳優・筒井巧氏が、31年の時を経て劇中設定そのままに「戸隠流忍法三十五代目宗家」を継承した物語は、特撮ファンのみならず、武道界においても類を見ない「奇跡」として語り継がれています。
その道のりを分かりやすく解説します。
1. 運命の始まり:初見良昭氏との出会い
1988年放送の『世界忍者戦ジライヤ』で、筒井さんは戸隠流三十四代目宗家・山地哲山(演:初見良昭氏)の養子である闘破を演じました。
- 師弟関係のリアリティ: 初見良昭氏は、実際に**武神館(ぶじんかん)**を創設した本物の武道家であり、戸隠流三十四代目宗家です。
- 撮影中の交流: 当時、筒井さんは初見氏から演技指導だけでなく、武道の本質的な考え方を学んでいました。この師弟関係が、30年以上の時を経て現実のものとなります。
2. 30周年を機に動き出した運命『世界忍者展ジライヤ』
2018年、作品の放送開始から30周年という大きな節目を迎えました。筒井さんはこの時期、再び『ジライヤ』関連のイベントや初見氏との再会が増えていました。企画時の様子を伝えています。
『世界忍者展ジライヤ』として、初のクラウドファンディング、川崎市市民ミュージアムにて3日間の開催、2000人以上の観客が訪れました。
- 衝撃の指名: 初見氏から「次(三十五代目)は筒井くんに」と打診されます。当初、筒井さんは冗談だと思っていたそうですが、初見氏の意志は固く、正式に継承が決定しました。
- 2019年:宗家襲名: 2019年12月、筒井巧さんは正式に戸隠流三十五代目宗家を継承。ドラマの設定が31年の時を経て、現実とリンクする奇跡が起きました。
3. 「筒井導場」の誕生と現在の活動
宗家を継承した筒井さんは、俳優業と並行して、初見氏の教えを次世代に繋ぐ活動を本格化させます。
筒井導場(つついどうじょう)
筒井さんは自身の道場を**「筒井導場」**と名付けました。
- 「導」の文字に込められた想い: 単なる技術の習得(道)だけでなく、人を正しい方向へ「導く」という願いが込められています。
- グローバルな活動: 日本国内だけでなく、ブラジルなど『ジライヤ』が国民的人気を誇る海外にも足を運び、武神館の門下生やファンに武道の精神を伝えています。
4.「超次元電視いと、まほろば」による事務局体制の強化
現在、筒井導場は戸隠流忍法体術の正式な道場としてその機能を拡充させています。この運営を全面的にバックアップしているのが、プロデュースユニットである**「超次元電視いと、まほろば」**です。
- 事務局機能の確立: 門下生の管理や問い合わせ対応、稽古スケジュールの策定など、道場運営の根幹を支える事務局業務を「いと、まほろば」が担っています。
- メディア・広報戦略: 宗家の活動を高品質な映像で記録し、YouTubeやSNSを通じて世界へ発信。伝統ある武術の重みを守りつつ、現代的なアプローチでその魅力を伝えています。
- イベント・プロジェクトの推進: ワークショップやファン交流イベントの企画・運営を通じ、伝統武術とエンターテインメントの架け橋として機能しています。
5. 現代に生きる忍者の形
かつてのヒーローが、30年以上の歳月を経て本物の伝承者となり、それを専門のプロデュース組織が支える――。この「筒井導場 × いと、まほろば」の体制は、伝統文化を次世代へ、そして世界へと繋ぐための**「現代における理想的な継承のモデル」**と言えるでしょう。
「ジライヤ」に憧れた少年たちが大人になり、今、本物の宗家のもとで「忍(忍耐)」の精神を学ぶ。その挑戦は、今もなお進化を続けています。